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東京都大田区 / 犬・猫の行動コンサルティング / 社会化トレーニング メンタルトレーニング 動機づけトレーニング メンタルケア ホリスティックケア

犬の学習


レスポンデント条件付け(古典的条件付け)


 レスポンデント条件付けとは【過去の経験から体が条件反射的に起こす反応】のことで、
 生理学者のパブロフが行った「パブロフの犬」と呼ばれる実験が有名です。

 犬にベルの音を鳴らしながらエサを繰り返し与えることで、
 ベルの音を聞くだけでヨダレを垂らすようになる、というものです。

 「まったく意味のない刺激(中性刺激)である「ベルの音」が「エサ」という「唾液の分泌を促す刺激」と
 一緒に呈示されることで、エサと同様に「唾液の分泌を促す刺激」と条件付けられる」ことです。

   

 このレスポンデント条件付けは、トレーニングでは「条件性強化子」に使用されます。

 「条件性強化子」とは、犬にとっては意味のない物が、レスポンデント条件付けを行うことで強化子としての
 意味を持つようになった物です。例えば、褒め言葉、クリッカーの音などがそれにあたります。

   

 また、社会化トレーニングでは全ての対象物(犬や人、音、ケア)にレスポンデント条件付けを行うことで
 対象物に対する感情をコントロールしていきます。

   

 この場合はまだ雷を怖がっていない状態で行ったイメージです。
 雷の音を「怖い」と感じるようになる原因はいろいろ考えられますが、子犬の頃からこの条件付けを
 行うことで「雷は犬にとってオヤツがもらえる前ぶれの嬉しい音」になります。



オペラント条件付け(行動分析学)


 オペラント条件付けとは【動物が行動したこと(自発行動)の直後の環境の変化(結果)に応じて、
 その後その行動の自発頻度が変化する学習】のことで、4つの法則からなります。

 ◆正の強化 → 行動の前に無かったものが行動の後に現れることで、その行動の頻度が増加維持される
 ◆負の強化 → 行動の前にあったものが行動の後に無くなることで、その行動の頻度が増加維持される
 ◆正の弱化 → 行動の前に無かったものが行動の後に現れることで、その行動の頻度が減少する
 ◆負の弱化 → 行動の前にあったものが行動の後に無くなることで、その行動の頻度が減少する

 

 
 ◆ A・Dは行動が増える法則
 ◆ B・Cは行動が減る法則
「正」  行動の前には無かったものが、
     行動の後に現れる
「負」  行動の前にあったものが、
     行動の後で無くなる

「強化」 行動の頻度が増え、繰り返されること
「弱化」 行動の頻度が減ること


 ◆新しい行動を教える時は「A」の法則
 ◆困った行動を減らしたい時は「C」の法則
 ◆「D」の法則で起きている行動には、社会化
  トレーニングなど嫌なことに慣らす練習を
  並行して行う
 ◆「B」の法則の「嫌なこと」は「叱りや体罰、
  愛犬に恐怖や痛みを与える」ものであっては
  ならない。
 




 「行動が強化されたとき、行動の直後に生じたこと」が好子(強化子)
 「行動が弱化されたとき、行動の直後に生じたこと」が嫌子(弱化子)

 「褒める(ご褒美)=強化」「叱る=弱化(罰)」や「褒める=正」「叱る=負」ではありません。
 また「ごほうびを与えただけで学習が成立する」「叱ったら行動がなくなる」と思い込んでいる方がいますが、
 正しくは「行動が増えたか減ったかを確認してから、強化なのか弱化なのかが決まるのです。

 ■褒めていても、行動が減っている(増えていない)のであれば「弱化(の随伴性)」
 ■叱っていても、行動が増えている(減っていない)おであれば「強化(の随伴性)」

 褒めていても強化になっていない、叱っていても弱化(罰)になっていないのです。
 「褒める」「叱る」ではなく、「行動が増えたか」「減ったか」ということを確認します。


 「行動の前(前触れ)→ 自発行動 → 行動の後(結果)」という一連の流れを三項随伴性と呼び、
 犬の行動の前後をコントロールすることで犬に好ましい行動を学習させていきます。

 まず、これに当てはめて犬の行動を整理していきます。
 そしてその行動の結果の部分を4つの法則に照らし合わせることで、

 ◆その行動をどうして起こすようになったのか
 ◆その行動をどうしてやらなくなったのか

 また今後、

 ◆その行動を起こす頻度が増えるのか
 ◆その行動を起こす頻度が減るのか

 を予測することができます。


 強化とは「行動の直後に何かが起きて、ますますその行動が繰り返されること」です。
 また、強化子とは「その行動を増やす原動力になっているもの」です。

 飼い主さんにとって「望ましくない行動」のことを「問題行動」などと呼んでいますが、
 これは愛犬が学習している証拠です。「愛犬の学ぶ力」を「望ましい行動」を学習する為に使いたいのです。

 ですから、愛犬がその時に嬉しいと思う強化子

 ■望ましくない行動」の後で現れることで望ましくない行動」を学習する原動力にも
 ■望ましい行動」の後で現れることで望ましい行動」を学習する原動力にも

 なる、ということです。

 犬の行動の変化を常に意識して、いい子にしている時を見計らって愛犬のして欲しいことをしてあげることは、
 「望ましい行動を学習するチャンスを作る」だけでなく、「望ましくない行動を学習しないチャンスを
 作る
」ことにもなります。


 「望ましい行動」を教えるには、犬が出来るだけ楽しくストレスなく行えるよう【正の強化】を利用しましょう。

 【正の強化】は、動物の学習の原理と呼ばれる科学的に証明された動物の学習メカニズムです。



ご褒美と強化子について


 【強化子】とは「その行動を増やす原動力になっているもの」のことです。
 その行動が強化された(増えた)とき、その行動の直後に現れたもの。
 言い換えると、何を与えたか。ではなく、強化されている行動の直後に何が起きているか。ということ。

 犬がスリッパをくわえて逃げます → 飼い主さんは「コラ!」と叱って取り上げます。
 でもこの行動は無くなりません。どうしてでしょう。

 「スリッパをくわえて逃げる」という行動の後、「「コラ!」と叱って取り上げる」という飼い主さんの行動が
 強化子
になっているのです。飼い主の注目を得る(アテンション・ハンティング)ことはいろんな行動の
 強化子になっていることが多いのです。


 【ご褒美】とは〈犬が今欲しい「もの」やしたい「こと」である〉〈犬が勝手に得ることが出来ない〉
 〈犬が飽きていない〉この3つのルールに当てはまっているものです。

 ご褒美の代表的なものは、オヤツ、フード、オモチャ、撫でてもらう、褒め言葉、などです。

 ご褒美を犬の好ましい行動の後に与えることで、行動が強化されて(頻度が増えて)いれば、
 そのご褒美はその行動を増やすため強化子になっているという事です。

 もしオヤツを与えても、褒めても、撫でても行動の頻度が増えないということは、そのご褒美は強化子に
 なっていないということです。また、ご褒美は与えていないのに困った行動が無くならない、という時にも
 飼い主さんの気づいてないものが犬にとっての強化子になっているのです。


 「頻度の少ない行動の報酬として頻度の高い行動を伴わせると、頻度の少なかった行動が起きやすくなる」
 という【プレマックの原理】を使うと、犬の行動そのものをご褒美として使うことができます。

 簡単に表現すると「ご飯を食べたら、TV見てもいいよ」ということです。

 「遊んで欲しい犬には一緒に遊ぶこと」「サークルから出たい犬にはサークルから出してあげること」
 「お散歩に行きたい犬にはお散歩に行くこと」「抱っこしてほしい犬には抱っこしてあげること」すべて
 ご褒美になるのです。そう考えると、犬にとってのご褒美はたくさんあることが分かります。


 【条件性強化子】とは、犬にとっては意味のない物が、レスポンデント条件付けを行うことで強化子としての
 意味を持つようになった物です。例えば、褒め言葉、クリッカーの音などがそれにあたります。

 元々犬にとっては意味のない言葉を条件性強化子=「ご褒美の合図(正解の合図)」にするのです。


 その際大切なのが「一貫性とタイミング」です。同じ状況のもとで何度も繰り返されなければいけません。

 例えば「クリッカーの音」。
 レスポンデント条件付けを行わないと「クリッカーの音」は犬にとって何の意味もない音
 「クリッカーの音=オヤツの合図」という「レスポンデント条件付け」の下準備(チャージング)を行うことで
 「クリッカーの音」は魔法の音となり、非常に強力な「条件性強化子=ご褒美」になります。




     






     





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